リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)
アルプス交響曲作品64
ダヴィット・ベル(オルガン)
指揮 ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
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リヒャルト・シュトラウスは、1908年に南ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンに別荘を持った。アルプス連峰の東北端に位置する。山をことのほか愛したシュトラウスはこの家の周辺の山歩きを好んだそうだ。美しいアルプスの自然を写実的に描いた標題交響曲である。夜明けから日没までの登山の一日の経験したことを22の情景に分けて、全体は切れ目なく演奏される単一楽章である。
「夜~日の出~登山~森に入る~小川に沿って歩く~滝~幻影~お花畑~山の牧歌~林で道に迷う~氷河へ~危険な瞬間~頂上にて~景観~霧が湧いてくる~太陽が陰り始める~悲歌~嵐の前の静けさ~雷雨と嵐、下山~日没~夜」の22の標題からなっている。
カラヤンは、標題音楽の演奏には絶妙の手腕を発揮する。刻々と変化する山の様子を、ベルリン・フィルの音色とアンサンブルを生かしながら、見事に演奏している。録音も良い。ただ、このCDには欠点がある。22の標題からなっているのに、1トラックしかない。普通は22のトラックになっているので、「頂上にて」を聴きたいと思えばスキップできるが、このCDはできない。何故こんな不便なCDにしたのか。 |
| グラモフォン F35G-50040 デジタル (録音)★★★★★ (2006.03.07) |
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イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)
バレエ音楽「春の祭典」(1947年版)
バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
指揮 アンタル・ドラティ
デトロイト交響楽団
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「春の祭典」は、1913年パリのシャンゼリゼ劇場で初演されたが、現代音楽特有の不協和音の連続に当時の聴衆の理解を超えた音楽だったので、会場は非難雑言で大混乱したという。だが、今日では現代音楽の古典となっている。初演でどのようなことがあっても、内容が優れた作品は後世に残るものである。第4曲のスプリング・ロンド(春の踊り)は3分半ほどの曲であるが、なかなか良い。 「ペトルーシュカ」は、ペトルーシュカ、踊り子、ムーア人の三つの人形を主人公としものである。第1場謝肉祭の日の中でどこか懐かしい旋律がある。いずれにしても、この2曲は現在の現代音楽と比べれば現代音楽のハイドンかベートーヴェンであると思える。
バレエ音楽の神様と呼ばれたアンタル・ドラティが実にリズミカルな名演を聴かせる。録音も大変素晴らしいものである。 |
| ロンドン F35L-20111 デジタル (録音)★★★★★ (2006.02.28) |
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フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)
弦楽四重奏曲第63番ニ長調作品64の5「ひばり」
弦楽四重奏曲第77番ハ長調作品76の3「皇帝」
エオリアン弦楽四重奏団
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ハイドンは83の弦楽四重奏曲を遺しているが、そのなかから最も有名な2曲が「ひばり」と「皇帝」である。第63番は、第1楽章第1主題がひばりの囀りを想わせるところから、このように名付けられた。いかにも春の喜びを歌ったハイドンの弦楽四重奏の中で最も親しまれている名曲である。
第77番は、ハイドンが詩人レオポルド・ハシュカの「神よ、皇帝を護りたまえ(皇帝讃歌)」を作曲し、のちにオーストリアの国歌となったのであが、第2楽章の主題をそのまま転用したので、皇帝と呼ばれるようになった。 |
| ロンドン 230E-51100 ステレオ (録音)★★★☆☆ (2006.02.25) |
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ジョルジュ・ビゼー(1838~1875)
歌 劇 「カルメン」
カルメン・・・・・・アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ)
ドン・ホセ・・・・・・・・・・ホセ・カレーラス(テノール)
ミカエラ・・・・・・・・・・レオーナ・ミッチェル(ソプラノ)
エスカミーリョ・・・・・・・・サミュエル・レイミー(バス)
フラスキータ・・・・・・・・・・・マイラ・メリット(ソプラノ) 他
指揮 ジェイムズ・レヴァイン
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団
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今回は、DVDによるカルメンである。今までオペラはほとんど聴かなかった。言葉がわからない者にとってはオペラは、退屈であった。オペラはその名のとおり劇であるので、CDのように音だけではその良さが半減すると思う。2800円という安価なDVDがあったので買ってみた。1987年2月のメトロポリタン歌劇場におけるライブ録画である。字幕が出るので歌っている内容がわかる、音楽と歌を聞いて舞台の情景演じる者の衣装、動きを見ることが出来る、それとライブなので、劇場の雰囲気も感じることが出来る。DVDはオペラの良さを教えてくれたものであった。 ホセ・カレーラスは、1987年7月に白血病のために入院しているが、このDVDは入院5カ月前の収録である。レヴァインも見事な指揮をしている。 |
| グラモフォン CBG-9007 DVD-VIDEO (録音)★★★☆☆ (2006.02.19) |
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ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(1710~1736)
スターバト・マーテル
ジュリア・フォークナー (ソプラノ)
アンナ・ゴンダ (アルト)
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わずか26歳で亡くなったペルゴレージの白鳥の歌である「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」は、わが子キリストがかけられた十字架のもとで悲しむ聖母の歌で、宗教音楽史不朽の名作と言われている。12曲から成り、ソプラノ、アルトの独唱と同二重唱で歌われる。1736年と死の直前の2カ月に満たない短期間に作曲された。
優美で美しい旋律と全曲にただよう清楚な感じは我々に切々と語りかけてくるようである。癒し系の音楽であると思える。
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| NAXOS-8.550766 デジタル (録音)★★★☆☆ (2006.02.13) |
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ジョージ・フレデリック・ヘンデル(1685~1759)
オラトリオ「メサイア」
アーリン・オジェー(ソプラノ)
ハワード・クルック(テノール) 他
指揮 トレヴァー・ピノック
イングリッシュ・コンサート、合唱団
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ヘンデルは、オラトリオを18作曲しているが、このメサイアが最高傑作であり最も親しまれている。メサイアとは、ヘブライ語で「聖油を注がれた者」といった意味でイエス・キリストをさしている。キリストの生誕の予言とその成就から復活までを歌ったもので、約2時間30分ほどの大作を24日間で作曲したという。1750年のロンドン初演に臨席したジョージ二世が「ハレルヤ・コーラス」に感動して起立し、聴衆もそれに従ったという話はよく知られているところである。現在でもハレルヤ・コーラスの時は、起立するそうだがこの曲の演奏会には行ったことがないので、真意のほどは定かでない。 ピノック指揮のイングリッシュ・コンサートは、古楽器による楽団である。ピノックの音楽は、明るい音色、柔らかいアクセントであるので、古楽器であってもスッキリとした現代的な演奏と言える。 |
| アルヒーフ POCA-2140~1 デジタル (録音)★★★★☆ (2006.02.09) |
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フレデリック・ショパン(1810~1849)
ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21
ホルヘ・ボレット(ピアノ)
指揮 シャルル・デュトワ
モントリオール交響楽団
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ショパンは、2曲のピアノ協奏曲を残しているが、20歳前後の作であるので、後年の作品と比べると内容的に劣ると言われている。特にオーケストラのパートの作曲は欠点が多いと言われている。作曲の技巧を論理的に見るとそうなのかもしれないが、作曲の理論を知らないものから見れば、何ら問題ないように思える。甘すぎるくらいの情緒感、メロディーの美しさを供えた名曲だと思う。 ホルヘ・ボレットは、キューバのハバナ生まれで70歳を超えてから注目されたが1990年に76歳で死去した、まさに大器晩成のピアニストであった。
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| ロンドン POCL-5029 デジタル (録音)★★★☆☆ (2006.02.07) |
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オスカー・ピーターソン・トリオ
酒とバラの日々 ピープル
ジョーンズ嬢に合ったかい
タイム・アンド・アゲイン 他全10曲
オスカー・ピーターソン(ピアノ)
レイ・ブラウン(ベース)
エド・シグペン(ドラム)
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今回はジャズである。ジャズはよくわからないが、自分が持っている装置ではジャズはどのように鳴るのか聞いて見たくて初めて買ってみた。
ピアノ、ベース、ドラムスのトリオで、ピアノが中心の演奏であるので静かでなかなか良いものである。曲はよくわからないが、録音は1964年と古いが右側からベース、左側がドラム、中央からピアノがきれいに分離されて聞こえる。タンノイのスピーカーはクラシック向き、ジャズはJBLと云われるが、なかなかタンノイでもHEになると聞けるものである。
大人のジャズというのだろうか雰囲気のあるジャズである。クラシックファンにもお勧めの一枚。 |
| Verve UCCU-9071 ステレオ (録音)★★★★☆ (2006.02.05) |
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ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~1893)
ピアノ曲集「四季」作品37bis
中村紘子(ピアノ)
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四季と聞けばビバルディのヴァイオリン協奏曲「四季」であろうか、「春・夏・秋・冬」から成り立っているが、このチャイコフスキーのピアノ曲集「四季」は1月から12月までの12曲から出来ている。各月には標題が付けられロシアの自然や民衆の生活を思い描いている。
1月「炉端にて」、2月「謝肉祭」、3月「ひばりの歌」、4月「松雪草」、5月「白夜」、6月「舟歌」、7月「草刈り人の歌」、8月「収穫」、9月「狩」、10月「秋の歌」、11月「トロイカで」、12月「クリスマス」となっている。6月と11月は有名で、6月の舟歌は船遊びの明るい情景と静かに揺れる舟のリズムを巧みに描いた曲で最も有名なものである。 中村紘子は、1993年4月からNHKテレビの「N響アワー」の司会を担当したときに、エンディング曲としてその月の曲を自ら弾いた。それにより全曲のレコーディング行われCDが発売されたようだ。中村紘子らしい凛々しい演奏である。 |
| ソニー SRCR-9404 デジタル (録音)★★★★☆ (2006.02.02) |
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47 「クロイツェル」
ヴァイオリン・ソナタ第5番へ長調作品24 「春」
イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)
ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
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ベートーヴェンは10曲のヴァイオリン・ソナタを作曲したが、この2曲が最も有名である。第9番は1803年に作曲され、当時ウィーンのフランス大使館員だったヴァイオリニストのルドルフ・クロイツェル(1766~1831)に献上したのでこの名が付いたもので、標題的な意味はない。 第5番は、4楽章からなっている。特に第1楽章はのどかな春の雰囲気がよく現れていて、お馴染みの旋律が冒頭から演奏される。この曲には「春」という題が付けられているが、曲から受ける感じが春を思わせるところから、後世の者が付けたもので、ベートーヴェンが付けたものではない。
パールマン・アシュケナージと、ヴァイオリンとピアノのトップ奏者同士の共演であるので、気迫をもった名演だと思う。アシュケナージは、NHK交響楽団の常任指揮者になっているように、近頃は指揮者としての活動が多くなっている。 |
| ロンドン FOOL-23010 ステレオ (録音)★★★☆☆ (2006.02.01) |
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小山清茂(1914- )
管弦楽のための木挽歌
外山雄三(1931- )
管弦楽のためのラプソディ
指揮 外山雄三 指揮 手塚幸紀指揮
読売日本交響楽団
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現代日本人の作曲によるものを紹介する。小山清茂の「管弦楽のための木挽歌」であるが、木挽歌は労働歌の一種で木こりが鋸で木を切るときにうたう歌を主題とする曲である。弦楽器が木を切る音を演奏する。それに乗せてチェロが主題を弾く。やがて寺の鐘が聞こえる。里に木こりが帰ると笛と太鼓による踊りが始まる。フィナーレは、民謡をアレンジしたような力強い演奏で終わる。
外山雄三の管弦楽のためのラプソディは、1960年にNHK交響楽団が世界演奏旅行のために委嘱されたものである。曲は3部構成になっていて、第1部は、手鞠歌、ソーラン節、炭坑節、串本節の各地民謡が演奏される。第2部は、フルートの独奏で信濃追分が鈴の音と共に演奏される。第3部は、鐘や太鼓による八木節が壮大な盛り上がりを見せて終わる。どちらの曲も日本の旋律を巧みに取り入れた名曲だと思う。 |
| ビクター VDC-5505 ステレオ (録音)★★☆☆☆ (2006.01.30) |
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
交響曲第40番ト短調 K.550
指揮 ラファエル・クーベリック
バイエルン放送交響楽団
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今年は、モーツァルト生誕250年という年なので各種のCDが発売されている。誕生の地ザルツブルグでも記念行事や記念グッズを販売されているようだ。モーツァルトは35年しか生きていないので、35年後には今度は没後250年のCDが出るのであろう。それどころか、「0」とか「5」の年には区切りとかいって記念の年にしているようだ。それぞれ生誕、没後があるので数年間隔でやっているような気がする。
モーツァルトは40の交響曲を作曲したが、後期6大交響曲といって35、36、38、39、40、41番がよく聴かれているが、この40番が最もお気に入りである。この曲を聴いていると青春という感がするし、第1楽章は青春と涙という感じがしてならない。クーベリック盤は、ゆったりとした演奏で心地よいが、オリジナル楽器のブリュッヘン/18世紀オーケストラはテンポが速く感じて、青春よそんなに急いで何処へ行くという感じがする。 |
| CBS/SONY 30CD-742 デジタル (録音)★★★☆☆ (2006.01.29) |
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第6番へ長調作品68「田園」
指揮 ブルーノ・ワルター
コロンビア交響楽団
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この第6番は、ベートーヴェンが作曲した9曲の交響曲の中で最も好きな曲である。ベートーヴェンは、「自然は人の心をこだまする」と言ったそうで、自然をこよなく愛した。その中からこの田園交響曲は生まれた。第1楽章「田舎へ着いたときの愉しい感情のめざめ」、第二楽章「小川のほとりの情景」、第三楽章「田舎の人たちの楽しい集い」、第四楽章「雷雨、嵐」、第五楽章「牧人の歌-嵐のあとの喜びと感謝の気持ち」の五楽章からなる一遍の美しい詩であると思う。
演奏は、このワルター盤がベストのような気がする。ショルティ/シカゴ響、ドホナーニ/クリーヴランド管、オリジナル楽器のブリュッヘン/18世紀オーケストラのを所有しているが、1958年とステレオ初期の録音であるので、ノイズが多いが田園はやはりワルターである。オリジナルのブリュッヘン/18世紀オーケストラがその次か。 |
| CBS/SONY 22DC-5581 ステレオ (録音)★★☆☆☆ (2006.01.28) |
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ヨハン・シュトラウスⅡ(1825-1899)
ウィンナ・ワルツ集
円舞曲「美しく青きドナウ」 円舞曲「春の声」
「アンネン・ポルカ」 「皇帝円舞曲」
円舞曲「ウィーンの森の物語」 「ピチカート・ポルカ」
円舞曲「南国のバラ」 「常動曲」
指揮 エーリッヒ・ビンダー
ウィーン交響楽団
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エーリッヒ・ビンダーは、ウィーンフィルのコンサート・マスターであり、1979年以来指揮者としても活躍している1947年生まれの生粋のウィーンっ子である。ワルツは繰り返しが多いがビンダーは省略せずに繰り返している。常動曲なんか普通は1回で終わるが、2回繰り返している。
録音には、日本人も参加している。ウィーン交響楽団のホーム・グランドのウィーン・コンツェルトハウスで1986年1月に録音されている。ウィーンフィルの楽友協会ホールよりスッキリとしたホールなので、独特の残響音が美しくこのCDもきれいに録音されている。ウィーンと言えば、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団というが、ウィーン交響楽団も遜色はない。目を閉じて聴けばわからないと思う。 |
| JVC VDC-1149 デジタル (録音)★★★★☆ (2006.01.28) |
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フランツ・シューベルト(1797-1828)
交響曲第8番ロ短調「未完成」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
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| カラヤン盤を推奨する人はまずいないだろうと思う。未完成と言えば、クライバー/ウィーンフィル、ワルター/ニューヨークフィルなどが名盤とされている。当方も所持している。でも、未完成はカラヤンなのである。クラシック音楽が好きになったのは、小学校3年生頃でカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団のモノーラルのレコードを聴いた時からで、冒頭の地底から湧き出るような音を聴いたときから、未完成が気に入ってしまった。それ以来クラシックファンになった。「趣味は14歳までに形成される。」ということであるが、皆さんはどうであろうか。それ以来、未完成は誰が何と言おうとカラヤン盤が自分に取ってはベストなのである。 |
| グラモフォン F26G-29037 ステレオ (録音)★★★☆☆ (2006.01.28) |
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