法華寺(ほっけじ)は、真言律宗の尼寺。東大寺を総国分寺として女人の参拝を禁じたため、光明皇后が父の藤原不比等の宅を移建して十一面観音を安置し、総国分尼寺としたという。その後荒廃したが、1601年(慶長6年)豊臣秀頼の生母淀君が再建した。横笛堂は滝口入道との悲恋の物語で有名な横笛が出家後に住んだといわれるもの。現在の本堂(国の重要文化財)は秀頼再建の建築。本尊の十一面観音木彫像(国宝)は平安初期の名作として名高く、光明皇后御影とされる。
 不退寺(ふたいじ)は、真言律宗の寺。正しくは不退転法輪寺(ふたいてんぽうりんじ)、通称業平寺(なりひらでら)という。都が京都に移った後も、奈良を愛し続けた平城天皇は譲位後、この地に御殿を建てて住んだ。萱葺きだったことから「萱の御所」と呼ばれた。平城上皇の孫、在原業平(ありわらのなりひら)が自ら本尊を刻んでここを寺にしたのが不退寺の起源といわれる。
 秋篠寺(あきしのでら)は単立寺院で、780年(宝亀11年)光仁、桓武両天皇の勅願によって、善珠僧正が開基したという。京都遷都後は衰微し、1135年(保延1年)以来数度の兵火にかかって、わずかに講堂を残すのみとなったが、鎌倉時代に大修理が行われ、以来本堂と呼ばれている。本堂に25体安置されている仏像の中でも特に著名なのが伎芸天で、諸技諸芸の守護神として多くの芸術家や芸能人らに慕われ、またその造形の優美な写実性は古美術愛好家の間でも広く親しまれている。
 西大寺(さいだいじ)は、奈良市西大寺芝町にある真言律宗の総本山。765年(天平神護1年)称徳天皇の勅願により建立。平城京の東にあった東大寺に対し、西の西大寺であったが、平安時代には再三の災害で衰退した。鎌倉時代に叡尊(えいそん)が再興したが、その後兵火にあい堂塔を焼失し、現在の本堂、愛染(あいぜん)堂などは江戸時代のものである。毎年4月第2土・日曜の両日と10月第2日曜に行われる大茶盛(おおちやもり)式は、大茶碗で飲む独特な茶会として有名である。

 法 華 寺  奈良市法華寺町882  ☎ 0742-33-2261
  9:00~16:30  700円  
     
 不 退 寺  奈良市法蓮東垣内町517  ☎ 0742-22-5278 
  9:00~17:00   500円  
      
 秋 篠 寺  奈良市秋篠町757  ☎ 0742-45-4600 
  9:30~16:30   500円  
     公式サイトなし 
 西 大 寺  奈良市西大寺国見町1-1-1  ☎ 0742-45-4700 
  8:30~16:30  散策自由  本堂等 800円