上賀茂神社(かみがもじんじゃ)の近くに社家(神主など神職の人の屋敷)の家並みがある。明神川沿いに石垣と土塀に囲まれた家並みが続き、上賀茂伝統的建物群保存地区に指定されている。
 その近くに国の天然記念物の野生の「大田のカキツバタ群落」がある。平安時代から有名で藤原俊成は「神山や 大田の沢の かきつばた 深き頼みは 色に見ゆらむ」と詠んだ。
 深泥池(みどろがいけ)は、平安時代から水鳥の狩猟地であった。池の底に泥が堆積し、その上に水生植物が群生して浮島になっている。「深泥池水生植物群落」として国の天然記念物に指定されている。
 臨済宗「円通寺(えんつうじ)」は、後水尾天皇の生母中和門院の侍女であった円光院文英尼が隠棲していた後水尾天皇の離宮の跡(幡枝御殿)に仏堂を建て、1678年(延宝6年)に寺とした。この寺は比叡山を借景とした枯山水の庭園が有名である。住職によるとこの借景庭園をいつまで維持できるかわからないという。比叡山が今のように緑に包まれた山であるから、この庭園は成り立つ。それが失われたらこの庭園も失われてしまうと話された。山に鉄塔や建物が見えることがないように、いつまででも緑の山であってほしいものだ。そして、借景を邪魔する高層のビルが建たないことを願いたい。静寂に包まれた借景庭園をいつまででも後世に伝えたいものである。

 社    家 京都市北区上賀茂 明神川沿い  
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 大 田 の 沢 京都市北区上賀茂本山340  
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 深 泥 池 京都市北区上賀茂深泥池町  
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 円 通 寺 京都市左京区岩倉幡枝町389 ☎ 075-781-1875
  10:00~16:00   500円   
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