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                        クラシック音楽とオーディオの出会い


 クラシック音楽との出会いは、当然の事ながら人それぞれ違うでしょうが、私の場合は小学校低学年の頃から父が音楽を聴くことが好きだったので、沢山の78回転のSPレコードがありました。ゼンマイ仕掛けの蓄音機というもので鳴らしていました。一面を聴く毎に鉄で出来ているレコード針を交換しなければなりませんでした。交換した針を廃棄するのはもったいないということで、砥石のようなもので鉄の針を研いで細くする手動の器具があったことを記憶しています。この蓄音機でビゼーのカルメンから闘牛士、オッフェンバックの天国と地獄序曲や童謡の可愛い魚屋さん、お猿の駕籠や、美空ひばりの越後獅子の唄などを聴いたことを覚えています。
  その後、SPレコードから33回転のLPレコードが発売されるようになり、蓄音機から電気で動くレコード・プレーヤーが主流となりプレーヤーをラジオに繋いでレコードを聴くようになり、兄も音楽好きでタンゴをよく聴いていました。そのプレーヤーのメーカーは「ニート」だったと記憶しています。
  ある日、何気なく一枚のレコードを聴くと、冒頭から低音で地底から湧き出るような旋律の音楽を聴いたのでした。第二楽章は、何ときれいな音楽だろうといっぺんにこの曲が好きになってしまったのです。これがシューベルトの「交響曲第8番(未完成)」だったのです。当時は、未完成は第5番と言われていました。演奏は、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団のモノーラル盤でした。クラシック音楽は、SPレコードで下地があったのですが、この未完成を聴いてからクラシック音楽を聴くことが趣味になった瞬間だったと思います。それと、チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」もお気に入りでした。ユージン・オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団の演奏でした。
   真空管プリメインアンプ レーベンcs300  小学生にレコードが買えるわけでもないので、特にレコードを聴くこともなく過ごしたのですが、また聴きだすようになったのは就職してからでした。簡単なナショナルのステレオ装置を買って、ドボルザークの「新世界から」をレナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴いて、モノーラル盤と違ってステレオの音の広がりをイタク感動して聴いたものでした。装置によって音楽の感じ方が大きく異なることも、その時に知りました。まもなく、東芝のステレオ装置を買い暫くの間はこれで満足していたのですが、電気店で聴くステレオと音が違うので、安いレコードプレーヤーとアンプを買って東芝のスピーカーに繋いで聴いたところ、その音の違いにビックリしたものでした。今まで聞いたことのない音が聞こえて来るのには驚き、今までいったい何を聞いて来たのかと思いました。これが、オーディオとの出会いでした。
  それから、プリメインアンプ「ソニー・TA-1150」、スピーカー「ビクター・SX−3」、レコードプレーヤー「ソニーの型番記憶なし」を購入して、オーディオの世界に足を踏み入れました。それ以後は、FM放送の時代になったので、FMチューナー、エアチェックにはオープンテープデッキ、カセットの時代にはカセットデッキ、そして、CDプレーヤーといろいろと買ったものです。そして、いろいろな変遷を経て現在の装置になっています。オーディオ・マニアという人から見れば、この装置でも入門クラスに過ぎないものでしょう。上を見れば限りなく高級な装置があり、それ相当の音が聞けるのでオーディオは底なし沼と呼ばれる所以です。もちろん、お金を掛ける前に、使いこなしが大切であることは言うまでもありません。
 
     現在の装置は、
       スピーカーは「タンノイ スターリング/HE」
       アンプは管球式の「レーベン CS300」で、真空管はEL84を4本、5751を2本使用。
       CDプレーヤーは「ティアック VRDS−8」

    
         現在のステレオ装置一式       真空管 EL84(左)、5751(右) 
                                            
EL84(左)と5751 

                                                         
(2006.2.5)